Treasure


 あゆか 様より 


※こちらの作品の著作権は、あゆか様 が有していらっしゃいます。
無断DL・無断転載・二次加工・再配布といった行為は厳禁です!
No reproduction or republication without written permission.


【犬かご 〜星明りの下で〜】(「濃染月」より)  

  《あゆか様のコメント》

守れるか守れないかは問題じゃなくって(;;)、
俺が守るっ!てがんばっちゃう男の子らしさが、
犬夜叉のよさだなーと思います。
(でも今回のお絵かきは
かごめ、犬夜叉を守る
みたいな感じですが;。)

手負いって描いたことないんですけど、
Ikuさんのssと小説を拝見させていただいていたら、
いいシーンがいくつもあったので、
無性に描きたくなり、つい・・・。


                        〜オエビコメントより転載〜


  《管理人Ikuのコメント》

そそ、犬君は後先考えてないところがいいですよね。
出来る出来ないは蚊帳の外!(笑)
その、無意識にほとばしる優しさと熱い気持ちがいいんですよね。
ああ、犬君ファンやってて良かったよ〜と思える瞬間ですわ。^^
そういう自分も、そんな熱い気持ちに揺り動かされてるのを感じて、ぽわ〜〜〜んv
そして、妄想へとひた走る!

そういえば、ほんわか甘い犬かごは、よく拝見いたしますが、
あゆかさんの手負いって、初めて拝見いたします。^^
わ〜〜んv貴重だわ。
私も手負いってあんまり描けないんですけど、
(そう、描かないでなく、描けない)見る分には実に美味しいです。

こちらの作品も、本当に情景が浮かぶ作品です。
崖下で空を見上げ、犬夜叉の肩に矢が突き立っているのが、目に入るシーン!
(小説『濃染月』【2】の終わり辺り)
犬君、苦しそうだけど、実に美味しいシュチュですわ。(鬼畜)
犬君が苦悶の中、じっと痛みを押し殺していそうな表情がまさにツボにズキュン!
わずかな星明りの闇の中で、その事実に気付いて、
思考が停止したようなかごちゃんの表情が胸に迫ります。

空からは、ほんのわずかしかない星明りの下、
そのわずかな光を受けて、禍禍しいほどに煌く矢が胸に刺さるようです。
闇に沈むほどの重厚な世界にかすかな光にあらわにされる止まった時間!
本当に魅入らせて頂きました。
それでも恥知らずな私は、相変わらず妙な物を書いてしまいました。(^_^;)
もし、見つからなければ〜〜〜♪(バージョンとでも言ったらいいのかな?)
はっきり言って、別物ですけど。

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  『戦慄』


  夜更けの深山で、よもやこんな事態になろうとは・・・。



「あっちに逃げたぞ!まだ、遠くには行ってはいねえはずだ!
 ものども、探せ! 隈なく探せ!」

崖の上では、夜盗か下卑た舎人か庸(よう)とは知れぬが、
息を潜めた二人の行方を追っている。

先ほど、誤って滑り落ちた崖の下は、周囲は木々と蔦と草葉に覆われて、
今は、逃げる二人にとって格好の隠れ家となっている。

普段の夜なら問題はない。
降る雨の如きの矢であろうと、強靭な体が一閃で叩き落す。
今宵は、あろう事か、月に一度の『朔』の晩。

それでも、彼は普段の如く。
己に出来るかどうかは意識の外。
そう、彼にとって、『守り通せるかどうか』はどうでも良いことであった。
彼にとっては、『俺が守るっ!』という矜持(きょうじ)が全ての根源。

  彼は言う。
  「おまえに出会えて良かった。
   俺がおまえを守る。」


今宵もそうだ。
己の矜持に従って、彼は傍らの少女の盾となる。
崖から転がり落ちるその最中(さなか)にあっても、少女を庇って己が下となる。
息を潜め、崖上の追っ手の足音が遠くなるまでまんじりともせず、
守るべき少女を誰にも見つからぬよう腕の中に抱き込める。



「もう、遠くに行ったみたいね。」
すでに、足音は遠くなっている。
それが合図となったかのように、彼は意識を手放し、少女の腕へと崩れ落ちる。

肩には、闇深き朔夜に、わずかに差し込む星明りを受けて、禍禍しく煌く一本の矢。
鳥の尾羽がかすかな光を受けてきらきらと輝く。
恐ろしいほどの静寂の美が時間を止める。
それは、『戦慄』という名の衝撃。


「犬夜叉!」
ぐったりと自分にのしかかってきた重みに、少女に事態の重さを突きつける。
思わず腕の中の少年を抱きとめ、祈りを込めてその者の名を叫ぶ。

「かごめ・・・、でえじょうぶ・・か?怪我は・・・ない・か?」
意識を手繰り寄せた少年が言葉を紡ぐ。
己の逼迫した状況を顧(かえり)みず、守りたいと願う少女の安否を問う。

「馬鹿!
 私は大丈夫。怪我してるのはあんたの方じゃない。
 今夜のあんたは、普通の人間なんだからね。
 あんたって、あんたって・・・・・・・・・本当に馬鹿よ。」
溢れる涙が少女の瞳から、ぽろぽろぽろぽろ零れ落ちる。

「はんっ。でえ・・じょうぶ・・だ。
 例え・・この姿でも、他の・・奴より・は・・・頑丈に・・・出来てるから・な。
 おまえに・・・怪我が・なくって・・・良かった・よ。
 それに、この矢にゃ・・・毒はねえ。
 急所も逸れてる。
 あとは、朝・さえ来れば・・・大・丈夫だ。」
搾り出すかの如き声音(こわね)と苦しげな吐息が、
全てその通りだと言えぬ事を物語ってはいるが、
命の別状だけはない事が分り、少女は今度は安堵の涙を溢れ出す。

「犬夜叉。・・・犬夜叉。・・・犬夜叉。」 
直に来るであろう朝の訪れを願い、愛しい少年を腕に抱きとめる。

「矢、抜いた方がいい?」
「否(いや)、毒もねえし、急所外れてるからこのままでいい。
 下手に抜いたら、傷が広がるから。」
「うん。」
朔夜の闇に紛れて、息づく二人。
静かに静かに時が流れる。


東の空より光が戻る。
差し込む霊光が漆黒の黒絹を白銀のそれへと染め上げる。
閉じられし瞳が、金の光を湛えて、今、見開かれる。

「かごめ。もう大丈夫だ。」




                                 ー 了 −

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                    (初書き2004.11.26/改訂2004.12.14)

ほほほ〜v
それでも別バージョン書いちゃった未熟者がここに一人。_| ̄|○|||
すんまそん。
これは、既に三次創作とでも言って、開き直ろう。(笑)
手負い絵描くより、犬君いじめる文書くほうが楽しいなんて・・・。
なんて鬼畜なんだ〜〜。


※著作権につきまして、
こちらにアップするに当りまして、あゆか様のテキストコメントの転載許諾、
および、あゆか様・ヨモギ様に感想SS付記の許諾を受けております。


以下は、ヨモギさんからの許諾メール文です。
………………………………………………………………………………………
  オエビの件ありがとうございます。先程お邪魔してきました。
  ログをかなり過去まで遡ってみてしまいました。
  IkuさんのSSも大変楽しく拝見させていただきました。
  緊迫感や愛が伝わってきて、短いからこその凝縮された魅力を感じました。
  著作権については全然気にしないでください
  (放棄するつもりは無いのですがイマイチ仕組みというか
   境界線を理解していないもので)。
  HP見ているとIkuさんは随分苦労なされたのですね。
                     メール(2004.11.29)より抜粋。
………………………………………………………………………………………

いや、別に苦労はしてないんですけど、「転ばぬ先の杖」と言うことで・・・。(^^ゞ
ポリシーです。






初  掲  載   :2004年11月24  当サイトオエビにて

当サイト初掲載:2004年12月14日







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