〜〜イラスト『犬かご 〜どきどき〜』 〜イメージSS『うまいよなv』〜  







  『うまいよなv』




やっもろもろの補習が終ったのは、 「秋の文化祭」 の前日だった。
まあね。中々授業に出られない私のためを思って、
わざわざ今の時期に、先生たちが補習を組んでくれた気持ちは嬉しい。
みんなが、受験を忘れて授業が中断するこの時期に、
少しでも追いつけるようにとの仏心を感じる。
でもね、両方やっつける私の苦労は分かってるのかな?






今更あちらに戻っても、今夜は 『朔』
休息も含めて、一日だけの 「夢」 の時間。
そう。犬夜叉と私の初めてのデート 











「・・・ だ・か・らぁ、 ・・・・・・犬夜叉っ、分かったわね」
「まあな」

「耳には気を付けてよね。
 それから、分かんなかったら、しゃべらない事! 絶対よ!」
「わ〜〜ってるって。何べん言やあ、気が済むんでぃ。
 そんなに俺が信用できねえのかよ」

「ううん。信頼してるわよ。・・・・・・ あっ、でも裸足は駄目だからね」
「・・・・・・。(こいつ、ぜってい俺を信じてねえな)
 わぁ〜〜ってるって、言ってるだろ。ふんっ!!」



  ふたりで過ごす屈託のない時間。
  別に場所は何処だっていい。
  一緒に居るのが ”でえとぉ” だと呼ぶのなら、
  いつもの何でもないまどろみも、 ”でえとぉ ・・・” なんじゃねえのかな?


  ・・・・・・ ちきしょう!
  自分でそう思っといて ・・・ な、何だか照るじゃねえか!
  おいっ!










「きゃ〜〜っ、かごめ!
 ”あの彼” を連れて来てくれたのね〜〜っ!
 犬夜叉君、お久し振りぃ〜
「おうっ、おめえらも元気そうだな。
 今日も三人一緒か? (ここまではでえじょうぶだな)」
「うん、元気よ」
「お久しぶり、犬夜叉君」
「相変わらず仲いいわね、かごめちゃん、犬夜叉君」
かごめの友達三人組と挨拶を交わす。




「あのね、早速だけど犬夜叉君に相談があるんだけど ・・・。ちょっと、いい?」
由加の瞳が怪しく光る。

  そうよ。ここで、この彼を舞台に上げれば、うちのクラスの優勝は間違いなし!
  天然のままで、この銀髪に金の瞳に、このルックス。
  絶対に目立つ!
  こうなったら、当日の今からでも脚本書き換えちゃうんだから。

野望を胸に秘め、噂の彼を覗き込み、にっこりと悪魔の微笑を浮かべて、由加は犬夜叉に向ってこう言った。

「犬夜叉君、舞台に上がってくれない?
 かごめを助けて欲しいのよ。
 台詞は二つ!
 『遅かったのか? もう間に合わないのか?』 と、 『何時までも一緒だ!』
 どう? これだけでいいからやってくれない?」


頼まれた当人ではなく、横で聞いていたかごめが即答する。
「無理。犬夜叉には無理。演技なんて無理! 犬夜叉には絶対無理!」

「――― ところで、かごめを助けてって、 ・・・・・・ どういう意味なの?」
そのくせ、目の前にぶら下げられた甘い餌、いや言葉への興味は隠せない。


うまく釣り上げたとほくそえむのは策士、由加。
「そりゃあ決まってるわ。
 あんたは、眠れる森の 「白雪姫」 よ。
 それを王子様の犬夜叉君がキッスで目覚めさせるの。
 かごめ! 彼なら絶対注目集めるんだから! 私の目に狂いはないから、是非とも!」


口を魚のようにパクパクさせて、相手役もろとも辞退するのはかごめ。
「ゆ、ゆ、由加! 何言うのよ。絶対無理!!」

   言ってもらう台詞に魅力はあるけど、
   キスなんて、キスなんて、 ・・・・・・ できるわけないじゃないの!

一人、慌てふためいてオロオロする。
隣を見ると、犬夜叉もまた冷や汗流して絶句している。

「・・・・・・」


「ね、ねえ、犬夜叉、 ”キ、キス” なんてねえ ・・・できないわよね」
どぎまぎしながら、恥ずかしそうに問い掛けてみる。


「そんな台詞言えるかよ。
 『遅かった』 とか、 『間に合わねえ』 とかも、ぜってい言いたくねえから嫌だけどよ、
 『何時までも ・・・』 なんて、ぜってい言えねえ!!」
犬夜叉も顔を真っ赤にして、同じく依頼を拒絶する。



「・・・ はあ?・・・ キスは?」
「アレは、別にいいぜ」
かごめの問いかけに、犬夜叉はにやりと笑って屈託なく答える。


 おめえも ”美味え” からって、きすは好きだろ。
 俺は好きだぜ。 おめえの ”きす”」
 それより、その台詞とやらは ・・・ 絶対に言いたくねえぇ」

「きゃ〜〜〜っv  犬夜叉君てば、 『キスは ”上手い” 』 んだって!!!
 かごめ、犬夜叉君、御馳走様〜〜〜〜














あちらの世界に行ってる間に、またも尾ひれがついてることだろう。






今宵、朔。
それは、ぽっかり空いた長閑(のどか)な 「休息日」 のエピソード。








ー Fin ー





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(初書き2004.11.01/改訂2004.11.10)
何やら、書こうと思ったお話と全くの別物に成り果てました。
ご多分に漏れず、キス=キス・フライです。(^_^;)
犬君はお肉より魚党ではないかと思ってます。
どうにも駄文で、御免なさい。
甘いムードイラストシュチュが、どうにも捩れてしまったような気が致しますが、何ででしょう?
イラスト「犬かご 〜どきどき〜」」 あゆか様





【Iku-Text】

* Thanks dog friends ! *

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