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『 麗しのお嬢さん♪ 』 「ねえ、かごめ♪ あんたのあの”彼氏”って、今日は来てるの？」 「へっ？ ･･････ き、き、来てないわよ！」 先日のあの遭遇以来、犬夜叉に悪い印象を持ってはいないとはいえ、 あんな犬耳持ったあいつを、彼女たちにほいほいと逢わせるのは、 気が気ではない。 ダンマリを決め込んでいると、三人娘のひとり、由加が言う。 今度の学校文化祭には、あいつも連れて来いと。 「でもね、あいつちょっと変わってるし ･･････。 あいつ、牙生えてるし、髪白いし、金目だし、あの着物だし ･･････。 （何を隠そう、本当は半分”犬”なんだけどな）」 「きゃ〜〜〜〜ん、いいじゃな〜い。 八重歯は立派だし、プラチナブロンドだし、瞳は琥珀色だし、 普段から仮装に免疫あるし ･･････。 今年は、かごめのあの彼にお手伝い願って、文化祭優勝よ！」 「はっ？ は、話、見えてないんですけど ･･････」 「『ドラキュラ伯爵の危険な恋！』 もう、ピッタリだと思わない？ 漆黒のタキシードに、マントに、シルクハット！ そのまんまの姿で、似合うと思うんだけどなｖｖｖ 前にも、あんたがお姫様やったあの劇に乱入したくらいだから、 舞台度胸は問題ないし ･･････ｖｖｖ」 「それで台詞は、 『麗しのお嬢さんｖ 私はあなたの魅力のとりこです。 ・・・愛しています』 きゃ〜〜ん。 そう、ここで首筋にキスじゃなかった、血を吸うのよ！！ かごめ、あんたに”麗しのお嬢さん”をやらしたげるからさ♪ ねっ、頼んでよ♪」 「駄目！ 駄目に決まってるじゃない。 あいつにそんな演技できるわけないもの〜！」 こんな、友達とじゃれ合うような何気ない日々がとても楽しい。 随分、遠くに来ちゃった気もするけど、ここも私の大切な「場所」 貴方に逢えない悲しさと、育った世界を後にするその寂しさ。 貴方に出逢えた喜びと、笑いさざめく日常の幸せ。 私の中のふたつの喜び、ふたつの悲しみ。 どちらも選べない大切な「場所」 だから今は ･･････、 自分にできる精一杯を生きる。 「･･････」 後から、考えると少し惜しかったかな？ でも、犬夜叉があんな台詞を言えるはずがないものね。 いいところ ･･････、 『血ィ吸〜たろか〜』だよね。  − FIN −************************************************************************** ( 初書き2004.10.17/改訂2005.10.12)何やら、妙なお笑い文になっちゃたわ〜〜〜＞＜ 牙と八重歯、白髪とプラチナブロンド、金目と琥珀色の瞳･･････モノは言いようですね。 世間知らずと舞台度胸･･･犬君、世の中は温かいですよね。 でも、くめんちょさんのセンスって、大好きです。＾＾ くめんちょさん、素敵な犬君吸血鬼は、かっこいいのにお茶目だわ。(^o^)丿 イラスト「犬夜叉〜ハロウィンに参上！〜」より
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