 『 隠れし森の中で･･･ 』 強い日差しの中、俺はあいつから逃げるようにここに居る。 頭上に輝く太陽の光は、ぎらぎらと大地に降り注ぐ。 ここは、その強い光から俺を隠す。 隠す。 そうさ、俺は逃げてきた。 おまえの眩しい笑顔から逃げてきた。 直視なんてできはしない。 おまえの笑顔に心がほころぶ。 おまえの声に心が震える。 いつの間にか、 おまえに囚われている俺が居た。 いつの間にか、 おまえの傍（かたわ）らを、望む俺が居た。 答えを返せぬ俺は、逃げ出すしかなかった。 そうさ、俺は逃げてきた。 俺の隠せぬ真実から逃げてきた。 もう隠せない。 おまえの笑顔に心がほころぶ。 おまえの声に心が震える。 いつか、面（おもて）を上げて立つ時は、 逃れられぬ自分と対峙する。 俺の心が求めるものは、ただ一つ。 それを思い知らされた。 いつの間にか、 おまえに囚われている俺が居る。 いつまでも、 おまえの傍（かたわ）らを、望む俺が居る。 答えは俺のうちにある。 そうさ、今が己と対峙する時。 俺の隠せぬ真実に立ち向かう。 たとえ、俺の心にもう一つの真実があっても。 おまえを望む、それも俺の真実だから。 ー 了 ー************************************************************************** （初書き2004.07.24/改訂2006.08.01）オエビでＳＳを始めた頃の代物です。(^_^;) 萩さんが貰ってくれました。 今回ＵＰするに当たって、ちょっとだけ追加した二行があります。（終わり二行）←おぃ！ 初出（イラストページ＆贈答版）の際には、敢えて抜いてあった二行だったのです。 私の中の犬夜叉は、いつだって桔梗は桔梗、かごめはかごめなんですよね。 桔梗を胸に住まわせながらも、かごめの眩しさにもどうしようなく惹かれていく。 ははは、恋せよ少年！悩め、青少年！ですね。(≧∇≦）／バンバン イラスト「隠れし森の中で･･･」より
|
