〜 「ゴルゴ朔」より〜イメージSS 〜  







  『 勇 姿 』





今日も、幾度目かの境内の落ち葉かき。
「垣根の垣根の〜 ・・・・・・」
なんて楽しく歌えるのは、ちょいとばかり狭い庭付きの一戸建ての話である。

ここは、緑豊な神社の境内。
御神木は常緑なれど、他にも色づく木々が、境内を紅葉の錦に変える。





「ふ〜いっ。
 寄る年波には、勝てんものじゃな。ちょいと、一服しようかの」

以前は、孫娘がよく手伝ってくれた。
今は、その弟が祖父と一緒に境内に立つ。



「しかし、かごめも忙しいのう。
 頑張って、次の理由(休む言い訳)を考えてやらねばならん」

孫娘が喜ぶ顔を思い浮かべて、いろいろと思案しながら、
氏子さんから頂いた饅頭を片手に茶を啜る(すする)。



――― ずずっ。



そんな穏やかな秋のひと時。
ふと、詣客の忘れ物が目にとまる。




「草太 ! 」

「何 ? お爺ちゃん ? 」

老人とは勝手なモノである。
「思い立ったら吉日」とばかりに、相手の都合も何とやら。
かたわらの孫に神妙な顔をして問い質(ただ)す。
いや正直な話、「老人は」ではなく、「このジイサンは」と言った方が良いのかもしれない。


「ちょいと聞くが、犬夜叉の奴は強いのか ?
 可愛い孫娘を預けておるんじゃ。
 あやつは、かごめに怪我なぞさせぬくらいには 強いんじゃろうな」

「うん。強いよ。犬の兄ちゃんは本当に強い!
 前にじいちゃんが入院した『お面が燃えた事件』の時だから、
 じいちゃんは知らないと思うけど、
 僕は、兄ちゃんに助けてもらって直接見たからね。
 すっごい強い。半端じゃなく強い。
 いつもは、『おすわり!』って、ねえちゃんに言われて、情ない時もあるけど、
 いざ、戦うとなったら別人みたいに強いんだよv
 それに、戦う時は戦いモードに― (刀が) ― 変化 ・・・・・・ ううんとぉ、変身するの。
 そうなったら、無敵だよ。
 それから、月に一度は黒髪になるらしいし、
 ねえちゃん曰く、恐い顔 ― (妖怪) ― になることもあるらしいよ。
 さすがに兄ちゃんは元々半化けだから、いろいろと変わるらしい。
 まあ、ねえちゃんに言わせてみれば、
 どんな姿でも兄ちゃんは兄ちゃんで、気にならないってさ。
 さすがは、惚れた弱みだよね。
 ねえちゃんてば、ほんと可愛いよね」


「別人。無敵。黒髪。変身。恐い顔。
 ・・・・・・・・・・・・。
 そうか、あやつはかごめの危機には ”変身” してまで強くなるのか。
 可愛い奴じゃ。
 かごめも健気じゃが、あやつも健気じゃのう。
 犬夜叉の奴、”そんな”姿になってまで戦っておるのか」






祖父のずれた妄想は果てしなく続く。
その手にあるは、客が忘れていった劇画調コミック。
それは ・・・・・・、


















言わずと知れた、かの有名な無敵のヒットマン【ゴルゴ13】第42巻。

「犬夜叉。
 おまえは、 そんな姿 になってまで、かごめを守っておるのじゃな。
 可愛い奴よ」


祖父の瞳から、感無量の涙が一滴(ひとしずく)零れ落ちる。





秋の夕暮れ、孫を傍らに、もうひとりの孫娘を想う。
孫娘の傍らで戦っているだろう”変化した”少年を心に描き、
茜の空を振り仰ぐ。







ー 了 −


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(初書き2004.11.24/改訂2005.08.26)
どよ〜〜〜ん。(T_T)
某チャットでお話に上がった【ゴルゴ朔】
「minさんが描いてくれたら、私がSS書くね♪」
と、つい、勢いで言ってしまった手前、どうなるかと後からハラハラ(@_@)
早速、23日の夜に予告どおりの素早い描画を発見してしまい、
引くに引けなくなりました。
minさん、早速、ゴルゴ朔爆撃中!(笑)
私も、24日朝から、約束を果たすべく1番にSS(コレ↑)を書き書きですわ。
こんなもので許してね。
私のSSは、いつだって即興ですから〜〜。(^^ゞ
さて、これで準備は完了でぃ!
※minさん、Kさん、Nさん、こんなもので宜しければ、ご自由にどうぞ♪
イラスト「ゴルゴ朔」より





【Iku-Text】

* Thanks dog friends ! *

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