〜〜イラスト『星降る夜』
〜イメージSS『 繋がる想い 』〜
『 繋がる想い 』 キンとした冬の冷気を胸いっぱいに吸い込んでみる。 見上げると、そこにあるのは降り注ぐほどの満天の星。 「綺麗 ・・・」 思わず、言葉が零れる。 「おい、寒くねえか? そんな薄着のままだと風邪引くぞ」 背後から声が降って来る。 「大丈夫よ、鍛えてるもん」 振り返ると、私はにっこりと微笑み返す。 「くしゅっ」 「ほらみろ、こっち来い! こうしてると温かいだろ?」 頬を染めた漆黒の瞳のあなたが私を被う。 「うん、温かい。 身体も、指も、それから、・・・・・・ 心も」 「はっ?」 「あんたの思いやりが、私の心を温めてくれるの」 「そうか?」 「そうよ」 「別にたいしたことしてねえぞ」 「そうかもね」 何も語らなくとも、想いは繋がる。 繋ぎ合った その指から、 見つめ合った その瞳から、 心にかける、その想いが零れだす。 「綺麗ね」 「そうか?」 「そうよ、綺麗でしょ」 仰ぎ見る頭上には、降り注ぐほどの満天の星。 ー fin − ************************************************************************** (初書き2005.11.29) 「星降る夜に聞かせてよ」 私が冬の星空を思い浮かべる時、まるで決り文句のように一緒に浮かぶ言葉です。 何かのタイトルなのか、台詞なのか全く覚えていないのですが、 冬の冷たい大気と、人と人との触れ合いの温もりと、触れ合う心そのものの温かさとが、 一緒に浮かんできます。 朔限定イラスト「星降る夜」より |
【Iku-Text】 |
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