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『 眠り姫 』 振り返ると、･･････ そこに佇む彼（か）の人が映るはずであった。 なのに、そこにいるのは、･･･ 幸せそうに眠る貴方。 「そうよね、一番疲れてたのは ――、 犬夜叉、貴方よね」 愛しいひとの寝顔を見つめつつ、 いろいろ想う。 何、夢見てるの？ 少しは、わたしのこと、想ってくれてる？ 楽しい夢？ 眉間に寄る皺を突っつきたくなる。 時々、むぐむぐと動く頬に指で触れたくなる。 そして、少し開かれた口から漏れる吐息に釘付けになる。 ねえ、わたし、こんなにそばにいてもいいの？ ねえ、あなた、どうしてそんなに無防備でいられるの？ 「一緒に居ていい？」 との問いかけに、 貴方は、言ったわ。 「一緒に居てくれるのか？」 と。 わたしの心は、いつも貴方と一緒に居るわ。 500年の時を越え、 わたしはいつもあなたの側に居る。 「一緒に居ていい？」 と、おまえが問うた。 「一緒に居てくれるのか？」 と、俺が応えた。 爽やかな風が吹き抜けていく、あの初夏の午後、 本当は、･･････ こう告げたかった。 「一緒に居てくれ」 季節が巡り、またあの薫風が吹き抜ける。 今なら、言える気がする。 俺の夢。 俺のしあわせ。 この手におまえを抱きしめ、おまえに浸る。 おまえの匂いに抱きしめられる。 いつまでも続く、このしあわせ。 今、明日を掴むため、お前に告げよう。 「 かごめ、 一緒に居てくれないか？ いつまでも」 お前は欲しい「応え」をくれるだろうか。  ー 了 ー************************************************************************* （初書き2004.07.01/改訂2005.09.01)う〜〜ん、犬君の見る夢でしょうか・・・？ ※こちらは、『朔晩逢いましょう』朔深様に、開設1周年のお祝いにと、 イラスト『休息』（『暫しの休息』に改題）と共に贈らせて頂きました。 イラスト「暫しの休息」より
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