〜〜イラスト『俺もだ・・・』
 〜イメージSS『 溢れ出す想い 』〜  







  『 溢れ出す想い 』




「私、犬夜叉のそばに居られて良かった」

あの時、あなたの力になれたのが嬉しかった。
あの時、あなたに力になってくれと頼まれたのが嬉しかった。

私ができることはほんの少し。
頭で考える前に私は走り出した。














「もう少しだけ・・・支えててくれ・・・」

あの時、おまえを傷つけてしまうことが恐かった。
あの時、おまえを守り切れないと思ったことが恐かった。

俺ができることはほんの少し。
頭で考える前におまえの支えが嬉しかった。

まだまだ未熟だと自分で自分が不甲斐なくなる。
だけど、俺は独りじゃないって嬉しかった。














 何も語らなくとも、想いは繋がる。

 触れ合った その指から、
 肩に触れる その温もりから、
 心に溢れる想いが零れだす。














―――ことん。

「かごめ、眠っちまったのか?」
犬夜叉はかごめの肩に手を添え、そっと抱き寄せる。
柔らかな吐息が、頬をくすぐる。


 何も語らなくとも、想いは繋がる。

 手のひらに伝わる その温もりから、
 肩にかかる その重みから、
 心に溢れる想いが零れだす。








「俺もだ・・・   
 お前がいてくれて嬉しかった」

今はまだ、
目覚めているおまえに告げる資格はないのだけれど・・・。







ー fin ー



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(初書き2005.11.30)
「鬼の腹」編の事後という設定だったりします。
「星降る夜」のSSの「繋がる想い」とも、繋がっていたりします。
でも、実は季節設定が微妙に違ってるんですよね。(絵的には)


朔限定イラスト「俺もだ・・・」より





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